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場の、今を見、古に学び、先を考えます、申します

4回生矢嶋組 卒業研究指針:今回の感染対策が収束するまでの当面版

2020年4月16日メール一斉送信
 
4回生矢嶋組のみなさん

矢嶋です。長文ですが、しっかり読んでください。
 
 矢嶋組の卒業研究、フィールドワークのあり方についての私の考え方をお伝えします。卒論には最悪の想定をしておきます。
今週になって大学の前期の授業方針が確定し、明日全国に緊急事態宣言が発出されることとなり、日本のしばらくの状況が見えてきました。緊急事態が当面続く可能性があります。場合によっては、みなさんの卒業式まで続いてしまうかもしれません。こうなると、図書館も使えないことでしょう。
 
(1) まず、今後、新たに人と会ったり現地を訪ねたりするフィールドワークをすることは難しいという前提で、卒業研究に取り組んでください。
ただし、すでに調査を開始していて調査対象者と少しでも人間関係を作っている方や、居住地の近所を研究テーマにしている方、近所で見つけたい方は、感染予防に十二分に注意して取り組んでください。すでに行った調査結果を重要な資料として位置づけ、追加調査では、電話を最優先して聞き取り調査を行うことを視野に入れてください。会ってくれそうな場合は、マスク装着、社会的距離や換気に注意し、事前に質問を送っておくなどして時間が長くならないように配慮して行うことはあり得ます。
聞き取り調査以外の研究方法を模索します。

(2)研究対象地域についての記載を徹底的に行ってください。研究対象地域とする地方自治体(市町村)のホームページに掲載されている地方自治体の情報、市町の総合計画、市町村の統計書をフルに活用し、地域の説明を丁寧に行ってください。
 
(3) 研究に関係する、他地域や類似分野の研究論文を読み、活用しましょう。夏合宿報告書で言えば第2節ですね。
 
(4) 国土地理院地理院地図、埼玉大学の谷研究室の今昔マップを最大限に活用してください。
 
今昔マップ http://ktgis.net/kjmapw/
 ※姫路・和歌山のリンクが切れていますが、地図ではリンクしています。
 
現地の写真などは、行政や企業の【公式サイト】の写真を、出典付きで掲載するのはアリです。地理院地図で場所を示し、公式サイトの写真を説明に使用していくという手は、代替措置としてはアリです。地理院地図を用いた現地の説明については、今後、矢嶋組緊急対応サイトブログ版で、矢嶋が3回生向けも兼ねて、4回生に発信していきます。
https://yajisoffice.hatenablog.com/
卒業生の卒論テーマに近いテーマであれば、卒業生から助言をもらえるようにお願いもしてみます。
 
(5) 必要な書籍があれば、古本の通販で入手することを試みてください。日本の古本屋というサイトや、amazonの古本があります。
 
矢嶋組では、動かないフィールドワークを、今後も模索し、発信していきます。
以上の内容は、状況に応じて変更しますので、注意してください。

事例001-2 農道を行く 高まりを流れる水

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"a siphon point of Irrgation canal for rice patch"

 

 

 右奥の水田は田植えが終わっています。

 

 水田と水田の間の高まりには用水路があり、大量の灌漑(かんがい)用水、つまり農業用水が流れています。高い位置を保って水路が設けられていることで、より遠くに水を流すことができますし、低い位置に広がる水田に用水をもたらすことができるように分岐させることも可能です。もし用水路よりも高い位置に水田があったなら、大量の水を上に上げることは簡単なことではありません。重力に逆らわないように、しつらえてあるのですね。

 

 実は、写真真ん中の赤い柵のところで、用水路はいったん途切れているのです。もう少し先にまた現れています。柵の右側にコンクリート製の橋が架かっているのがわかりますか。写真の左右を別の用水路が横断し、交差しているのです。今見えている用水路はその用水路より後に作られたか再整備されたかして、サイフォンの原理を応用し左右の用水路と、水が混じらないようにして、交差させているのです。サイフォンの原理は、ネットサーフで勉強してみてください。

 

 サイフォンは伏樋ともいわれ、江戸時代でも用水路の工事に応用されていました。

 

 X字に用水路が交差していますが、右下の用水路が切れているのがわかると思います。左上ー右下の用水路が、右上ー左下の用水路の下に潜っていることになります。

 

 

 

 地理院地図を貼り付けられることがわかりました。ホームページでもブログでも、html編集ができれば可能とのこと。国土地理院、すごい!

 

 

2018年6月中旬 兵庫県加古川市西神吉町

Middle in Jun., 2018. Nishikanki-cho, Kakogawa, Hyogo Pref.

SONY Cyber-shot RX100M3

事例001 農道を行く

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「農道を行く」 3回生矢嶋組フィールドワーク

"Waliking along farm road" Field work of the 3rd grade seminar.

 

 

 左手、水が入りつつある圃場は、田植え前の水田であると推測できる。

 右側の緑が列をなして高くなっている点、そのさらに右奥には左側の水田と同じ高さで水を張った圃場が見える点、傾斜の草は刈られて手が入っている点、いい具合の高さの木がポツポツ見られる点、未舗装の道と圃場の間のコンクリートの小水路など、見るべき点は多い。

  

2018年6月中旬 兵庫県加古川市西神吉町

Middle in Jun., 2018. Nishikanki-cho, Kakogawa, Hyogo Pref.

SONY Cyber-shot RX100M3

 

※ブログ掲載記事の組み立てを見直し、新たな事例の記事としました。

動かないフィールドワークを模索します

 

 

 

 矢嶋組のゼミ募集では、フィールドワークの実施を必須の条件としてきました。とはいえ、今回のコロナウイルス感染蔓延の状況下では、人と会うフィールドワークは無理です。大人数で出かけるのは論外です。そこで、外出しないフィールドワーク、いわば「動かないフィールドワーク」を模索したいと思っています。

 

 本来的にフィールドワークには、現地での観察、撮影記録、聞き取り、データ収集、体験など、いろいろな作業があります。地理学・地域研究系の分野では、地形図との対比も大切な作業です。これらには、バーチャル、e-mailや電話で行うこができることもあります。矢嶋組がこれまでお世話になってきた地域在住のみなさんに、またまたおすがりせねばならないかもしれません。メールや電話は線でつながっていますので、いわばオンライン(on line)です。3D地図を作ってしまうなんてのもバーチャルに入れてよいでしょう。

 

 みなさんには何が必要か、みなさんは一人一人どういうことができるか、考え、実践していきます。

 

 皆さん個々に対してはオーダーメイドですが、矢嶋組の基本ともいえるスタイル、いわば「型紙」に基づくパターンオーダーでの対応となります。

 不器用な店主にしばしおつきあいください。

 

               矢嶋

 

 

[2020年4月15日追記]

 矢嶋組卒業生のみなさんに、当時のフィールドワークの写真を使用することを、卒業時かその後に連絡を受けたメールアドレスに送信して依頼しました。顔の掲載許可について連絡があった卒業生は、ぼかしを入れずに写真を掲載します。

 

[2020年4月16日追記]

 写真機材の名称が入っているのは、矢嶋の気休め(趣味)です。そこは勘弁してください _(- -)_

矢嶋ゼミ緊急対応サイトです

矢嶋です。

 

兵庫県からの休業要請は、大学も対象となりました。

 

 これまで3回・4回矢嶋組のみなさんには、メール一斉送信で、今できることについて連絡してきましたが、この緊急対応サイトを統合窓口として設置し、適宜情報発信していきます。

 

よろしくお願いします。